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とある姉妹の話をしようと思う。
興味とはほど遠い話かもしれないが、少しばかりおつき合いいただきたい。
私には高校二年生になる妹がいる。
太陽の光をあびてきらきらまぶしいハニーブラウンの柔らかい髪。二重のくりくりとした瞳をさらに大きく見せるために、ブラウンのカラーコンタクトを使用。
母親譲りの整った目鼻立ちには化粧など必要なく、毎日のように顔面の塗装工事に追われている私とは比べものにならない顔面偏差値。
肌荒れも日焼けも知らないような、なめらかな白い肌は若々しく、弾力がある。ほんのりと赤く色づく唇はつやめいて、思わず視線を向けて凝縮したくなる。
と、まあ少ないボキャブラリーで必死に表現してみたが、簡単に一言でまとめてしまえば『美少女』が的確だと思う。
それが私の妹、安条エリカである。もうすでに名前から美少女オーラがでている。
五つほどしか離れていない正真正銘 血の繋がった妹なのだが、彼女は産まれた時から姉である私とは大きく違っていた。
予定日よりも一ヶ月ほど早く、未熟児として産まれてしまった妹は、幼い頃とても病弱だった。今の姿からはとても想像がつかないだろうが、風邪をこじらせることすら生死をさ迷うと医者に忠告されるほど儚い体だった。
美人薄命。まさにそれだ。
冗談じゃないと、両親はそれはそれは妹を大切に育てた。愛らしい幼児が懸命に生きようとする姿は、周囲の人間の庇護欲をかりたてたと聞く。妹に関わるすべての人々は彼女のために努力を惜しまなかった。
「エリカはね、お姉ちゃんとはちがうの」
妹はまさに愛されるために産まれてきたような存在だった。
両親は彼女が望むモノをたくさんつめ込んだ鳥カゴを用意して、過保護という言葉ではもの足りないほどの愛情を無償で与えた。病弱の彼女を守るために用意された小さな楽園。きらきらして、甘くて、キレイな鳥カゴ。
私は当初、妹に付きっきりになった両親に寂しさを覚えた。五歳の子どもを放置する親というのもなかなか非道だが、私は聞き分けのいい子どもだったので、文句ひとつ言わずに両親の背中を見つめていた。
妹とは違って、私には可愛げがなかった。だから、両親の愛情もすぐに妹に向かったのだろうと思う。あの二人の愛情は異常だ。
「エリカ、あれがほしい」
妹が行動や言葉で示そうものなら、両親は迷うことなくそれを買い与えた。
「エリカ、あれもほしい」
成長するにつれ妹は欲深くなっていく。ついには他人のモノまで欲しがり始めるのだが、それでも両親は可愛い娘のために、欲しがるモノを買い与えた。
与えられるだけで満足してくれたらよかったものの、略奪なるものまで覚えてしまった彼女はもはや暴君のようだった。
お分かりかもしれないが、私の妹が非常識でワガママなお姫さまになってしまった主な原因は両親にある。
病弱だった頃の、娘がいつ死んでしまうか分からない恐怖は、『娘が生きているうちに、願いを叶えてやらなければ』といういかにも親心らしい使命感を生んだ。
妹は成長するにつれ、身体も頑丈になり、今では風邪ひとつ引かない健康優良児になった。しかし、両親の中には未だに妹を甘やかさなければならないという使命感があるらしい。
彼女を甘やかすことが、親としての役割だと未だに思いこんでいる彼らには呆れを通り越して、いっそ恐怖を覚える。
そのせいで、他人に迷惑をかけるモラルの欠けた人格的が形成されたというのに。彼らは我が子を可愛がるあまりに、妹が世間一般的に見て『非常識』に分類される人間だと気づいていないのだ。
しかし、そんな傍若無人なワガママ姫にも、どうやら恋人ができたらしい。
最初は顔に騙された男かと思ったのだが、妹のワガママにイヤな顔ひとつしない所を見る限り、性格もひっくるめて妹を受け入れているようだ。
なぜ私がそんなことを知っているかと言うと、妹がその恋人を家に連れてくるようになったからである。
今日も家に帰ったら、リビングのソファーに座っていた。手持ちぶさたにスマホをいじっていたのだが、私に気づくとすぐに手を止め、目元を細めてゆるやかに微笑んだ。
「こんばんは、お邪魔してます」
美少女とつき合うのは美青年、それがセオリーとでも言うように妹の彼氏はとんでもない美形だった。
その上、救いのない妹の性格を受け入れる寛大な優しさ。礼儀およびマナーも学生とは思えないほどきちんとしていた。どこか品もあって、まるで童話の王子様のような男である。
最初に妹の恋人を見た時、私は思わず『マジか』と呟いたことを覚えている。私立の学校ってこんなのばっかりなんだろうか。
恋人としてパーフェクト。どうしてうちの妹にしたのか、ますます疑問になるし、世界にはもっといい子がいることを教えてあげたくなる。まあ、恋人関係に口出しするつもりはないけど。
当たり障りのない挨拶を返して、リビングを通り抜ける。つもりだったが、今日は珍しく呼び止められてしまった。
「甘いものはお好きですか?」
「…ん?まあ、好きだけど…」
彼はソファーから立ち上がって私の元まで歩み寄ると、手さげタイプの小さな紙袋を私に差しだした。いまいち意図が分からずに、混乱しながらきれいな顔を見上げる。
そういえば、妹の恋人は身長も高い。モデルか。
「よかった、嫌いだったらどうしようって思って」
「…私に?」
「はい、いつもお邪魔させてもらってるので、そのお礼です」
「えっそんなの気にしないでいいよ、いつも妹が連れ込んでるんだしさ」
むしろ妹の世話してくれている彼に、礼を言わなければならないのは私である。うちの妹が、他人に迷惑をかけずに生きていくことはできない。両親は特例だし、私は妹に関与しない。その被害を被るのは、主に彼だろう。
しかし、彼は首を横にふって、なぜか私の手を取った。
は?
一度、手の甲を親指でさすって、ぎゅっと握り締める。そして、私の手のひらに紙袋を握らせると満足そうに微笑んで、手を離してくれた。
今、何が起きたのかよく分からなかった。
「でも、俺は真紀さんに受け取ってほしいんです」
「あ、ああ、そう、ありがとう…」
引きつりそうになる頬をどうにか動かして、ぎこちない笑みを返す。私にはこれが精一杯だったのだが、そんな下手くそな笑みを浮かべる私に構うことなく、彼はなぜか。
なぜか、とても、うれしそうに、笑った。
目を細めて、私を見下ろしている。
その瞳はとても甘ったるいくせに、あやしい光が見え隠れしていた。
『彼女の姉』に向けるべきものじゃない感情を彼の瞳が雄弁に語る。
私はそこで、目の前にいる王子様のような人間も男だということを唐突に思い出したのだった。
・
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とある男の話をしよう。
彼は他人に何かを与えることを喜びとしている人間だ。
誰かに何かを施すことが、人生において至極の幸福であり、生きがいだった。
これは彼の生い立ちに理由があった。
彼は何一つ不自由のない環境で産まれ、そして今まで当たり前のように育てられた。望めばすべてが手に入るような彼を誰もが羨ましがったが、同時に彼を敬遠するようになった。
彼とて人の子、親しい友人ができないことをとても苦痛に感じていた。彼の顔や性格の良さに惹かれる女子が多いことも、彼に友人ができない理由の一つだった。
とある日、彼のクラスメイト達が新しいゲームの話で盛り上がっていた。子どもにとってゲームはそう簡単に買ってもらえるものじゃない、だが彼の家にはそのゲームがあった。
彼は勇気をだして、クラスメイトに声をかけた。家にきてゲームをやらないか、と 。
最初は渋っていた様子のクラスメイト達だったが、それでもゲームができる誘惑には勝てなかったらしい。最終的には頷いて、彼に着いてきた。
豪邸のような彼の家にクラスメイト達を招待し、大きなテレビと用意された最新のゲーム、そして友人を連れてきたことに喜んだ母親がお菓子や飲み物も差し入れてくれた。
クラスメイト達はとても喜んでくれたし、彼ともずいぶんと打ち解けてくれた。友達になろうと言ってくれた、彼にとってこれほど嬉しいことはなかった。
「ありがとな!たのしかったぜ!」
たった一言が彼の人生を変えた。
彼はこの日をきっかけにクラスメイト達を頻繁に自宅へ招待するようになった。
クラスメイト達が興味を示しそうなものをリサーチして買い揃え、気に入ったものがあれば『もらっていいよ』とさりげなく手渡した。さすがに高価なものは遠慮していたが、小さな玩具やお菓子などは貰ってくれた。
喜んでくれるから。
下心などもない、純粋な理由。
誰かに何かを与え、感謝されること。それが何よりも彼の寂しさを満たした。
いつしかそれが彼の生きがいとなり、当たり前となってしまった。
だから、彼は高校生になった今でも惜しみなく他人にモノを与える。
安条エリカと恋人になったのもそれが関係していた。
欲しがりなエリカと、与えたがりな彼。言わば需要と供給が等しくつり合っていたため、二人は恋人という関係に収まることになったのだ。
なので、彼はエリカに好意をもっているわけではない。エリカがどうなのかは知らないが、少なくとも彼はそうだ。
それに、彼にはエリカよりも気になる人間がいた。
安条エリカの姉、安条真紀である。彼女は姉でありながら、エリカとは顔も性格も似通った点が一つもないという奇異な存在だった。
欲しがりなエリカの姉なのだから、同じように欲しがりなのだろうと予想をつけていた彼には衝撃的な事実だった。
それどころか、彼女は物欲が薄いようで、彼が手土産に持ってきた菓子折りなども一切手をつけないらしい。エリカとは違い、だいぶ早いうちから自立しており、今では母親すらも頼らない。
内定をもらい、大学を卒業したら一人暮らしをすることも彼女の母親から聞きだした。
欲しがらない真紀に何か与えたい、受け取って欲しい。
彼の中にそんな感情がひっそりと生まれて、それは日を追うごとに成長していく。真紀が喜んでくれそうなもの、それは何なのか。毎日のように考えた。
エリカといる時も頭の中はそのことばかりだったのだが、観察力のないエリカには分からなかったようだ。エリカは欲しいモノを口にだしてくれるので分かりやすいが、真紀については全く分からない。
真紀の喜ぶ顔が見たい。喜んでほしい。
大多数の人間を喜ばせるよりも、たった一人の人間を喜ばせたい。
いつしかそれが彼の生きがいとなるのだが、その感情に好意が上乗せされていることに彼は気づいていなかった。
彼の瞳は真紀という人間を写すたびに、無意識に甘さをにじませる。
とても純粋で、それでいて劣情を孕む甘さを。
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